法人設立手続のオンライン・ワンストップ化について(1)
事務局の立場から、前回までにご紹介した、株式会社の発起設立に関連して、③の定款認証及び⑧の登記申請についての近年の動向をご紹介します。
発起設立による株式会社設立手続のうち、③の定款認証については、法人設立オンライン・ワンストップ化検討会において、電子定款によりオンライン申請をしても、公証役場に出頭して面前確認を行う手間が必要となるなど、起業者の負担になっていると指摘されていました。
平成30年5月法人設立オンライン・ワンストップ化検討会「法人設立手続のオンライン・ワンストップ化に向けて」4頁
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/hojinsetsuritsu/pdf/report.pdf
また、⑧の登記申請についても、補正が無い場合でも申請処理に2~8日、繁忙期には1~2週間の時間を要しているなどと指摘されていました(同12頁)。
その他にも、法人設立オンライン・ワンストップ化検討会において、次のとおり指摘されました。
・法人設立における印鑑届出制度が設立登記の完全オンライン化が実現できない原因となっている
・法人設立手続におけるオンライン申請が、「登記・供託オンライン申請システム」、「e-Tax」、「eLTAX」、「e-Gov」という4つの異なる申請システムにおいて、それぞれ個別に実施することが求められており、申請者にとっては、手続の全体像がわかりづらい等
(つづく)