法人設立手続のオンライン・ワンストップ化について(2)
事務局の立場から、前回に引き続き、法人設立手続のオンライン・ワンストップ化についてご紹介します。
前回は、定款認証、登記申請その他の法人設立手続における問題点の指摘についてご紹介しました。
このような問題点を改善するために、法務省は、平成31年3月29日より、テレビ電話方式による電子定款の認証を可能としました。
しかし、この認証制度は、発起人が定款又は委任状に電子署名を行うことが要件となっていたため、発起人が電子署名できない場合には、テレビ電話方式による電子定款の認証はできず、個人の電子署名が普及していない現状では利用が進んでいませんでした。
そこで、法務省は、令和2年5月11日より(当初は同年7月6日施行予定であったところ、新型コロナウイルスの影響により早まりました)、発起人が電子署名できない場合でも、電子署名ができる定款作成代理人に紙の委任状で定款作成を委任すれば、テレビ電話方式による電子定款の認証ができることとしました。
法務省「定款認証を含む電磁的記録の認証手続について,より広くテレビ電話等を利用して行うことが可能となりました」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00007.html
日本公証人連合会「テレビ電話による認証制度」
今後の定款認証は、令和2年5月11日の取扱いの変更により、新型コロナウイルスの影響も相俟って、テレビ電話方式による電子定款の認証が増えていくと考えられます。
(つづく)