法人設立手続のオンライン・ワンストップ化について(3)
事務局の立場から、前回ご紹介したテレビ電話方式による電子定款の認証に引き続き、法人設立登記の処理期間の短縮化ついてご紹介します。
法人設立登記の処理期間の短縮化について、法務省は、平成30年3月12日から、会社の設立登記のファストトラック化(会社の設立登記を優先的に処理し、原則として申請から3日以内に登記が完了できるようにする取組)を開始しました。
法務省「平成30年3月12日から、会社の設立登記のファストトラック化を開始します」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00110.html
その後、法務省は、令和2年2月28日、同年3月17日から以下の設立登記の申請を対象に、「24時間以内処理」を開始することを公表しました。
・役員等が5人以内であること
・完全オンライン申請であること
・電子納付により登録免許税が納付されていること
・補正がないこと
法務省「完全オンライン申請による法人設立登記の「24時間以内処理」を開始します」
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00006.html
完全オンライン申請とは、「添付書面情報(定款、発起人の同意書、就任承諾書等)が全て電磁的記録(PDFファイル)により作成され、申請書情報と併せて送信されていること」(上記ホームページ参照)をいいます。ただし、完全オンライン申請は、登記・供託オンライン申請システムを利用し、かつ電子署名及び電子証明書が必要です。そのため、株式会社等の設立を考えている方が、電子署名及び電子証明書を取得していない場合、すぐに完全オンライン申請を利用することはできません(完全オンライン申請を利用する司法書士に依頼することは可能です。)。
また、現状、法人設立登記は、印鑑届書が登記所に提出されるまで登記を完了することができません。
しかし、令和元年12月4日に商業登記法20条が削除され、会社代表印の届出義務が廃止されることが決まりました。施行は未定ですが、将来的には、印鑑届書が登記所に到達した後、登記が完了するという取扱いはなくなることになります。
(つづく)