法人設立手続のオンライン・ワンストップ化について(4)
事務局の立場から、前回ご紹介した法人設立登記の処理期間の短縮化に引き続き、法人設立ワンストップサービスついてご紹介します。
法人設立登記が完了した後の手続について、政府は、令和2年1月20日より、マイナポータルのホームページにおいて、法人設立ワンストップサービスを開始しました。
法人設立ワンストップサービスとは、法人設立後に行う税務・労務の手続をオンラインにより一括して行えるというものです。
マイナポータル「法人設立ワンストップサービス」
https://myna.go.jp/SCK0101_01_001/SCK0101_01_001_InitDiscsys.form
法人設立ワンストップサービスは、①情報の繰り返しの入力が不要であるとともに、手続の漏れを回避できるメリットがある、その一方で、②入力項目が多岐にわたり、適切な手続を選択することは容易ではなく、専門家の支援が必要となる、③「マイナポータル」の利用は、(個人の)マイナンバーを前提としていることから、会社が子会社を設立するような場合には馴染まないと思われる、と評価されています(「始動した「法人設立ワンストップサービス」と今後の展望」『ビジネス法務2020年7月号』4頁)。
政府は、世界最高水準の起業環境を実現することを推進する方針であり(「未来投資戦略2018」)、法人設立ワンストップサービスは、法人設立後に行う税務・労務の手続だけではなく、2021年2月を目途に、定款認証や法人設立登記も含めた全ての手続がワンストップで可能となる予定とのことです。
内閣府「マイナポータルにおける「法人設立ワンストップサービス」の提供開始について」
https://www.cao.go.jp/bangouseido/pdf/houjinoss_about.pdf