外国会社が日本へ進出する際の商業登記について(1)
事務局の立場から、前回の話題である商業登記に関連して、外国会社が日本へ進出する際に必要な商業登記についてご紹介します。
外国会社が日本へ進出する際に必要な商業登記には、大きく分けて、①支店(外国会社営業所)の設置、②日本法人(外国会社の子会社)の設立の2つの類型があります。
①支店(外国会社営業所)の設置の場合
外国会社とは、外国の法令に準拠して設立された法人等であって、会社と同種のものまたは会社に類似するもののことをいいます(会社法第2条2号)。
そして、外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができません(会社法第818条)。
そのため、外国会社が主体となって、日本において事業活動を継続して行うためには、「外国会社の登記」をする必要があります。「外国会社の登記」は、日本国内に住所を有する日本における代表者を定め(会社法第817条第1項)、当該代表者から登記を申請することになります。日本において「外国会社の登記」をすることにより、登記をした支店の名義で銀行口座を開設することができるようになり、不動産の賃借をすることもできるようになります。
また、支店は、外国会社の権限ある機関が決定した事業活動を日本において行う拠点であって、法律上は、支店固有の法人格はなく、外国会社の法人格に従属する存在です。
したがって、支店の事業活動から発生する債権債務は、最終的には外国会社に直接帰属することになります。
(つづく)