事務局から弁護士へ質問(18)-顧問弁護士へ依頼するきっかけは?
前回は、企業間の公平について聞いてみました。今回は、企業が、顧問弁護士へ依頼するきっかけについて聞いてみます。
事務局S 企業が顧問弁護士に依頼するきっかけはどのようなものですか?
今 津 弊所では、ありがたいことに、規模の大小を問わず、多くの企業のお客様が、弊所を顧問弁護士事務所としてご依頼くださっています。
企業の立場から見て、企業が顧問弁護士に依頼されるきっかけには、いくつかの典型(複数にまたがる場合もあります)があるように思います。まず、①企業が、顧問弁護士を法務部の外部委託のように利用される場合です。次に、②相談しやすい弁護士を探し、弁護士が必要となる場合に備えて、顧問弁護士として依頼される場合があります。③企業が、トラブルの発生など必要に迫られて弁護士に相談され、それをきっかけに日常的に相談することができるよう顧問弁護士として依頼される場合もあります。また、④弁護士を育てようと、依頼してくださるような場合もあります。
事務局S なるほど。①法務部の外部委託は、「事務局から弁護士へ質問(16)-顧問弁護士は、法務部の外部委託?」でご紹介したような場合ですね。
今 津 はい。法務部の外部委託のようなイメージで、弊所へ依頼してくださっている企業も多いです。
事務局S ②の場合は、今は弁護士へ依頼する必要がなくても、顧問弁護士へ依頼されるということですか?
今 津 きっかけはそうです。ですが、顧問弁護士がいれば、相談したいこともでてきますし、「今は弁護士へ依頼する必要がない」ということにはならず、色々相談してくださることが多いですよ。
事務局S ③の場合は、イメージしやすいですね。必要に迫られて弁護士に依頼され、その結果、顧問弁護士がいたほうがよいと思われるということですね。
今 津 はい。企業の経営は、利益とリスクを比較による判断の連続です。トラブルの発生は、過去の判断の際のリスクのあらわれの場合もあります。トラブルの解決だけではなく、日常的な選択に際して、リスクを把握したり、リスクを少なくしたりするためにも、ぜひ弁護士を利用して頂きたいですね。
事務局S 少し驚いたのは、④の場合の弁護士を育てようと依頼されることです。そのようなことがあるのですね。
今 津 はい。弁護士に適した機会を与えることで、能力を高め、かつその企業の事業やその企業を取り巻く環境について、弁護士がより深い知識を有するように、という長期的な視点に立っておられるということと思います。我々としても、それにふさわしい弁護士になりたいと思って努力しますし、懐が深い企業や経営者の方々に感謝しております。(次回に続きます。)