特別支配株主の株式等売渡請求(4)
事務局の立場から、前回に引き続き、株式等売渡請求の手続についてご紹介します。
【株式等売渡請求の手続】
3 対象会社による承認
特別支配株主から株式売渡請求をする旨及び前回ご紹介した1の各事項の通知を受けた対象会社は、当該請求を承認するか否かを決定します(会社法179条の3第1項)。
当該決定は、対象会社が取締役会設置会社である場合には、取締役会の決議が必要です(同法179条の3第3項)。
当該決定後、対象会社は、特別支配株主に対し、当該決定の内容を通知する必要があります(同法179条の3第4項)。
なお、特別支配株主は、対象会社が承認した後は、取得日の前日までに対象会社の承諾を得た場合に限り、売渡株式の全部について株式売渡請求を撤回することができます(同法179条の6第1項)。
なお、対象会社の取締役又は取締役会には、当該決定において、手続が法令どおり行われているかをチェックするにとどまらず、少数株主の利益を守るべく、売渡の条件(1株当たりの対価)が適正なものか、また、対価の交付の見込みがあるか等の判断を行うことが期待されています(「Q&A平成26年改正会社法」125頁参照)。
(つづく)