特別支配株主の株式等売渡請求(3)
事務局の立場から、前回に引き続き、特別支配株主の株式等売渡請求についてご紹介します。
【株式等売渡請求の手続】
株式等売渡請求の手続を、順にご紹介します。
1 特別支配株主が定める事項
特別支配株主は、次の事項を定める必要があります(会社法179条の2第1項)。
①特別支配株主の完全子会社等に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該完全子会社等の名称(同法179条の2第1項1号)
例えば、特別支配株主の完全子会社であるA社に対しては、売渡請求しないこと
②株式売渡請求によりその有する対象会社の株式を売り渡す株主(売渡株主)に対して当該株式(売渡株式)の対価として交付する金銭の額又は算定方法、及びその割当に関する事項(同法179条の2第1項2号及び3号)
例えば、売渡株式1株につき、5,000円の割合をもって金銭を割当交付すること
③特別支配株主が売渡株式を取得する日(取得日)(同法179条の2第1項5号)
④①~③のほか、法務省令で定める事項(株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法、その他株式売渡請求に係る取引条件)(同法179条の2第1項6号、会社法施行規則33条の5第1項)。
2 特別支配株主からの対象会社への通知
特別支配株主は、対象会社に対し、株式売渡請求をする旨及び1の各事項を通知します(会社法179条の3第1項)
(つづく)