事務局から弁護士へ質問(15)-顧問弁護士と企業内弁護士の違いって?
前回は、顧問弁護士のいるメリットや顧問弁護士の探し方を聞きました。今回は、顧問弁護士と企業内弁護士の違いについて聞いてみました。
事務局S 顧問弁護士の他に、企業には企業内弁護士がいると思うのですが、企業内弁護士とは何ですか。
今 津 顧問弁護士が外部から企業のお手伝いをするのに対して、企業内弁護士は企業に勤務しています。どの企業にも企業内弁護士がいるわけではありません。大企業になればなるほど企業内弁護士が在籍している確率が高くはなりますが、企業内弁護士がいる企業は少数派です。
事務局S 企業内弁護士は、どのような業務をしているのですか?
今 津 企業内弁護士は、一般的に、勤務している企業において、①契約書の検討をしたり、②企業内の規則を作成・修正したり、③事業部門からの法的な相談に対応したり、④株主総会の対策をしたり、⑤トラブルが発生した場合の対応をしたりされています。法務部の一員として業務をされていることが多いと思います。
事務局S 企業内弁護士がいる企業は、法務部で対応することが可能ですから、外部の顧問弁護士へ依頼する必要はないということになりませんか?
今 津 そういうわけではありません。法務部があっても、企業内弁護士がいても、外部の専門家の助力が必要である場合はあります。業務が多くて手が回らないといった理由で、法務部で全てを処理できない場合もありますし、訴訟などの紛争が発生した場合には、外部の弁護士に代理を依頼されることが多いです。実際に、当事務所でも、法務部からご依頼頂くことは良くありますよね。
事務局S 確かにそうですね。
今 津 企業内弁護士が、例えばAという種類の問題はX法律事務所へ、Bという種類の問題はY法律事務所へ依頼するという振り分ける業務を行っていることもありますよ。
事務局S そうなのですね。企業には、基本的に企業内弁護士が在籍しているものと思っていました。
今 津 そういうわけではないです。企業内弁護士もいなければ法務部もないという、優良企業はたくさんありますよ。(次回に続きます。)