裁判所での「3密」(密閉、密集、密接)
民事裁判手続きにおいては、原則として、当事者又は弁護士が、裁判所に出向く必要があります。そのため、法廷においては、裁判官、書記官、事務官、当事者、弁護士及び傍聴人が、一室に集まることになります。
特に、弁論準手続期日においては、法廷よりも小さな書記官室に、十名を超える関係者が集まり、長時間にわたって議論を交わすことも珍しくなく、密閉、密集、密接のいわゆる「3密」にあたる場合が、それなりにあるように感じます。(このようなことを考えることがあるとは、少し前まで思いませんでした。)
この点、政府が、令和2年4月7日、緊急事態宣言を発出したこと等を受けて、東京地方裁判所は、緊急性のある一定の事件を除き、4月8日から5月6日までの間に実施される予定であった民事裁判手続きの期日の指定を取り消しました。政府が、同月16日、緊急事態宣言の対象地域を全国へ拡大したことを受けて、全国の裁判所においても、東京地方裁判所と同様の対応がなされているものと思います。
令和2年4月19日の日経新聞の記事によると、政府は、2022(令和4)年中に「民事訴訟法などの関連法を改正し、23年度に口頭弁論をウェブ化」し、「2025年度から民事裁判手続きを全面オンライン化する」とのことです。今回の新型コロナウイルスの終息には間に合わないように思われますが、早期のオンライン化を望みます。
弁護士法人今津法律事務所 弁護士 今津 泰輝